タワマン主婦が自給自足を目指す顛末

タワマン主婦、消費する日々

子供もだいぶ大きくなり、自分の時間が増えてきた。あの忙しい頃に比べたら今の状況はとてもありがたいことだけれど、日常の生活は変わらない。

朝早く起きて、子供のお弁当と家族の簡単な朝食を作り、パートに行き帰ってきて、ぼんやりしていたらすぐ夕食を作る時間。平日の夜、夫は仕事で帰りは遅く、子どもたちと3人で食べる夕食。お風呂に入って、次の日のために早めに就寝。

週末は買い物、家族が行きたいと言うのでたまにはレジャー。いつまでもどこまでも消費するだけの日々。

お金があって初めて成り立つ我が家の暮らし。慌ただしく生活しているのに何一つ自分の力ではないような、漠然とした虚しさと不安。

いつか自然豊かな場所で暮らしたいと漠然と思いながら、Instagramなどで見る美しいパーマカルチャーの庭を見てため息をつくだけ。自分で食べるものを自給し、排泄物は堆肥となりまた土に還っていく。ヤギや鶏が草を食べる。穏やかな循環の世界への尽きることのない憧れ。

いつか、私もそんな自分だけの小さな循環を作り出せるだろうか。

憧れだけはつのり、本を読んだりネットで移住関連のサイトを見る日々だった。

パーマカルチャー研究所の三栗祐己さん提唱の「遊暮働学」

パーマカルチャー研究所の三栗祐己さんをTwitterでフォローしたのはだいぶ前だと思う。三栗さんは、札幌の山で暮らしておられて、遊びと暮らしと仕事が一体化した「遊暮働学」を提唱されている。

「遊暮働学」。まさに、食べ物を自給し土に還していく、その暮らし自体が生きる営みであるパーマカルチャーの実践ではないですか。…いいよね。そうしたいさ、できるものなら。

そんな三栗さんが年末のある日、出版記念FacebookライブをやるとTwitterでお知らせしていた。

ちょうど聴ける時間だ。このリンクをクリックすればよいのかな。そうして初めて、ネットで著作物を読むだけだった人が実際に話すのを聞くという体験をした。

出版された本は「自給自足でセミリタイア② 仕事の自給編」

本の内容は、件の遊暮働学の暮らしをしつつ、会社員レベルの収入を生み出すためにはどうしたらよいか、お金の不安で田舎暮らしに踏み出せない人に対してどのように仕事を作り出していくかを、具体的に書いた本だった。著者がご自分の著書を説明されればそれは興味をそそられ読みたくなるというもの。買って読みましたとも。

本の内容もさることながら、自給自足的生活をしながら仕事を作り出す(仕事の自給)ための1時間無料オンライン相談をしてくれるって。

でも、私は心の中で田舎暮らしを妄想しているだけの見かけは普通の40代パート主婦だし。ガチ移住希望者ではないし。オンライン相談の対象者じゃないよね。

申し込んで、話を聞いてもらいたい気持ちもありながら、思い切ることもできず数日経過。そんな中ライン登録をしていたので、オンライン相談しませんか〜?という三栗さんからのラインのゴキゲンなお誘いが連日来る。

…いいの?私、なんちゃってタワマン暮らしの普通の主婦なんだけど。夏は24時間エアコンつけてますよ?(だって網戸ないから窓開けられないからつけないと死ぬ)。私の頭の中を解剖しないと、人は私が移住希望者なんて全然知りませんよ?

というわけで、思い切ってオンライン相談で三栗さんとお話しした。

話す前までは予想もつかないことだったけれど、そこから怒涛の「今ここでできるタワマン自給自足生活」への学びが始まった。

三栗さんは言った。自分の才能で生きればいい。あなたにも人に伝えられることはある。パーマカルチャーとは持続可能な暮らし。持続可能な暮らしは人によって違っていいし、どこででもできる。完璧なパーマカルチャー生活を送らなくとも、一人ひとりができることを実践することのほうが、意義は大きい。

今ここでできること…。ほんのちょっとしたことでも、もちろんけっこう冒険的な挑戦でもいい。それを私がやってみて、どう思ったか、どうなったか、発信してみる。それを誰かが読んだら、役に立つこともあるかも?少なくとも挑戦したくて勇気がなくてできなかった少し前の自分だったら、その発信知りたい。

日々の小さな、たまに大きな挑戦の日々

そこから、ちょっとの勇気を頻繁に出して、いろんなことをやってみたり、行ってみたりした。

市民農園を借りてみた。15㎡の小さな畑。苗を植えれば意外に実をつけてくれる。けれど、まっすぐに畝を作るのって意外に難しい。畑をいじっていると、隣の民家のおじいちゃんにいきなり里芋をもらったりする。良くわからんが土に埋めたら、ちゃんと生えてきた。秋の実りが楽しみだ。

直売所で糠が10円で売っていたので、ぬか床を作ってみた。日々臭いを変えながら、残念ながら概ね良い匂いではないが、どうにかこうにか毎日かき混ぜている。

三栗さんとその仲間たちに会いに札幌に行った。オンラインでしか会ったことのない人達。行ったら、いきなり大歓迎された。そのまま日付けが変わるまで語り合った。お酒なしで!

4年ほど前から、ただただTwitterをフォローしているだけの人が竹細工を教えてくれているということを知っていた。習いに行きたかったけれど、少し遠い場所だったので、ずっと勇気がなかった。思い切って行ってみた。高速道路を150km自分で運転して、行ったこともない房総半島の突端まで。あれ、実際に初めてしゃべったのはごく最近のはずなのに、ごく自然に不器用を怒られながら竹細工を教わっている私。

日本中に友達がいる、タワマン主婦

私は依然、見かけ普通のなんちゃってタワマン暮らし40代パート主婦である。

でも、中身はちょっと違いますぜ。

知りたいことがあれば、教えてくださいと言えばいい。誰かが面白そうなことをやっていれば、私も一緒にやってもいいですか?と言ってみればいい。知らないところでも、知らない人でも、私がそうしたいと思いさえすれば、たいていは受け入れてもらえるものだ、ということを今の私は知っている。

そうしてわずか半年あまりだけれど、小さな実践の数々から得られた細々とした知識の蓄積。それらは私にさらなる日々の好奇心を与え、ありあわせの物でもどうにかこうにか工夫して実は生きていけるという小さな安心感をもたらす。

そして何より、三栗さんの下に(主にオンライン上で)集った日本中の自給自足的志向の仲間たち。また、私が自分で動いて知り合った人たち。みんな友達だ、と私は勝手に思っている。実際私がそう思っている人たちの9割以上は「そうだね、友達だね。」と答えてくれると思う。…うん、9割はかたいね。

だってみな、日々の生活に疑問を持ち、新しい理想の世界を自分のできるところから作ろうとしているところは同じだもの。

機会があれば会いに行くかも知れない。でも会わなくても話さなくても、いてくれるだけでいい。私のことを理解し受け入れてくれる人は、世の中に確実にいる。その事実だけで、安心して生きていられる。

パーマカルチャー生活を目指して、今できることを

いつかはタワマンを去るだろう。でも以前に思っていた「いつか」とは少し違う。「いつか、必ず」タワマンを去るだろう。それまでに思いついたことを、できることを、片っ端からやってみる。

そしてその実践をここに書いて、どなたかが読んでくださり、もしかしてその上で何か感じてくださったら、私としては望外の喜びだ。それはすなわち、また一人私を受け入れてくれる仲間ができた、ということだから。

また、いつかはタワマンを去らなくても、私が私の好奇心のままにやりたいことをやってみることは、究極的にはすでに持続可能な暮らしを実践できているのかもしれない。

先のことはまだ分からない。とにもかくにも、私の「タワマンで自給自足」への挑戦は続きます。

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