根管治療後に再発して抜歯と言われたけど抜かなくてすんだ話 前編

普段は意識もしていないけれど、なくなるとものすごく不便で困るもの、っていろいろあると思うけれど。

歯。

あってよかった、奥歯。そんなお話です。

目次

2年前から悪かった奥歯

そもそも私は虫歯が多い。これは元を正せば私の親の管理の問題だったのだと思う。自分で歯を磨けないくらいの小さい頃からろくに歯磨きをしてもらえることもなく甘いものなんでも食べ放題だった私は、乳歯の頃から虫歯で歯医者さんに通っていた気がする。

大人になって自分でしっかり歯が磨けるようになってからも、子供の頃からの虫歯を引きずって20代の頃には奥歯は全部大きな銀歯という状態だった。

30代40代を経る間に、銀歯と残っている自分の歯の間がまた虫歯になってるだのなんだのと、さらに何度か削って銀歯はさらにだんだんと大きくなっていった。

で、2年前。いつもの歯医者さんで、左の上の奥歯がまた虫歯になっているので、けずりますと。特に何も考えることなくいつものように治療を終えたら。

翌日、経験したことのない激痛。

ネットで検索したり、感覚的なものから、神経が死んだか、死んでいないまでも歯の神経に異常があるのではと予想した。

慌てて当時の歯医者さんを再受診したのだが、痛みの原因が直近で治療をした一番奥の歯なのか、その手前の歯なのかわからない。自分でもどちらが痛いのかわからないのだ。わからないながらも、直近で治療したのが一番奥なので、その歯の神経を抜く治療を次回しましょうとなったのだが、なぜだか数日後に痛みは消失。

神経を取る治療が怖かった私は、様子見たいです、と言ってとりあえずそれ以上の治療はしないことを選んだ。

ここから、長い不安の日々の始まったのだった。

1年後。2件目の歯医者さんで抜髄

その1年後。パン屋さんで美味しそうなベーグルを買った私は、帰宅して早速頬張った。

と、思ったよりもベーグルは硬い。でも構わずに遠慮なく奥歯でぎゅーぎゅーベーグルをかみ切ろうとしていたら。

1年前と同じ場所に強い違和感が。

鏡で見てみると、上の左の奥から2番目の歯のすぐ上あたりの歯茎がぷっくりと腫れていた。1年前に診てもらった歯医者さんに電話すると、予約がいっぱいで診れるのは1週間後と言う。心配でそんなに待っていられない。

というわけで、近所の別の歯医者さんへ。

その歯医者さんでも、レントゲンを撮ったりしたものの、やはり原因が一番奥なのか、その手前なのかよくわからず。

私自身の感覚としては、一番奥から2番目の歯だと思うので、結局この歯の神経の治療をすることになった。

この治療をしてもらうまでの一連の経緯で知ったのだが、歯の神経が本当に死んでいるかどうかはそんなに簡単にわかるものではないということ。

歯の根っこというのは何本かあって、そのうちの1本でも生きていれば、弱い電流をかけて反応を見る検査でも反応する。けれど、一部が死んでいるのであればもう治る見込みはないから、抜髄処置は必要。

結局のところ歯の神経が生きているのかもうだめなのかは、歯を削って神経を実際に見てみないと分からないのだけれど、削ってみて生きていたらどうするの?削ること自体が、歯にものすごく負担をかける。

なので、なかなか確信をもって神経の治療をするっていうわけにはいかないのだ。少なくとも私の奥歯はそういう状態だった。

ここで、私は歯の神経を抜く治療というのを初めて経験した。虫歯の痛みとはまた違うつらい痛みを伴う大変な治療だった。

5、6回通っただろうか。やっと神経の処置をしてもらっても、歯茎の腫れは引かなかった。

私は、そもそも歯の根っこが折れているのではないかと心配したのだが、治療してくれた歯医者さんはそうだとも違うとも言わず、結局その歯茎の腫れはメスで切った。その後腫れはなくなったが、これでほんとに終わりなのか?治ったのか?という不安は残った。

その不安は、間違ってはいなかった。

またも歯茎に大きな腫れ。前回治療してくれた歯医者さんは治療してくれず

さらに1年たった。学ばない私は、冷蔵庫にしまっておいてカチカチに固くなったデーツをまたもうっかり奥歯でぎゅっと噛んだ。

1年前に経験した強い違和感をまた感じるやいなや、あっという間に去年と同じ場所の歯茎が大きく腫れ上がった。

まずい。再発だ。

去年あんなに大変な思いをした同じ歯に、また同じ治療をするのだろうか。そもそもできるんだろうか。いや、これは再発なのか?別の歯が原因か?もし再発だったとしたら、去年の治療が下手だったってこと?

ああでもないこうでもないと頭の中でぐるぐると混乱しながら、歯医者さんを予約。

去年治療してくれた歯医者さんの予約の日まで数日間が過ぎるのがとても遅く感じられた。

歯医者さんでは、またレントゲンを撮ったり、歯茎の腫れの中になにやら細い針のようなものを刺して、腫れが歯茎の中を通ってどの歯につながっているのか、確認したりしていた。(刺したままレントゲン撮ったりする間。不快なにぶい痛みが)で、まあ去年治療した歯が原因でしょうね、とのこと。

その歯医者さんは自分でまた治療することなく、お茶の水の日大附属歯科に紹介状を書いてくれた。

大学病院て混んでる

日大附属歯科は大学病院だけど、初診は予約なしで見てくれる。紹介状を書いてもらった翌日、早速行ってきた。

前日の地元の歯医者さんと同じような検査を日大でもして、同じように、奥から2番目の神経の治療をしましょうということになったのはよいが。

日大の広い待合所や診察室には、「予約が取りにくいので、治療の間隔は長いと1ヶ月くらい開く」といったような張り紙が。

なんか、治療のんびりしてそう。そもそも初回の日大の診察は検査して治療方針と担当医師を決定しただけで、担当の医師から1週間以内に電話が来るので、その電話で治療の予約を取ってくださいと検査をしてくれた医師に言われた。

1週間と言いつつ数日で電話くれるのかなと思いきや、今か今かと待っていても電話はこない。しびれを切らして7日後にこちらから電話すると、その担当医師は今日は休みとのこと。すでにやや絶望的な気持ちになりながら、翌日またこちらから電話した。

電話口に出た担当医師は親切そうではあったが、ようやく取れた治療の予約は2週間後。

腫れ上がった歯茎になってから1ヶ月は経ってからようやく治療開始ということになる。

まあ、がまんはできますよ。

この歯茎の腫れ、痛いわけではないのです。歯の根っこが悪くて、膿がたまってその膿がどこにも出口がないと圧がかかって痛いのだけれど、根っこから歯茎まで道がつながって(穴が開いて)膿は少しずつ外に出ている。だから違和感くらいですんでいる。でも、強く噛むとどうなるか分からないような口の中に爆弾を抱えたような不安感を伴う強い違和感なのだ。

で、この歯の根っこの膿は放置すると少しずつ顎の骨をとかして他の歯にも影響が出てしまう、らしい。

顎の骨をとかすってどれくらいのスピード?すみやかに治療をしてほしいのに、どれくらい待っていても大丈夫なの?

何も分からない状態で、あと2週間待つって、不安すぎる。

自分史上初、1週間で歯医者さん3軒はしご

不安な日々の中のある日、友達と食事をした。会話の中で自分の虫歯の状態を話すと、その友達も数年前に同じような経験をしたと話してくれた。同年代の人で、私みたいな不安な状況になる人ってもしやけっこう多いのでは。。虫歯で治療した歯がまた虫歯になって、削って、削って。ついに神経に届く、っていうお年頃なのかも、4、50代って。

彼女に日大での次の予約の日を話すと、ずいぶん時間が経ってしまうので、他の歯医者さんも探してみた方がいいのではとアドバイスをもらった。

元々の不安に友達の助言でさらに不安は増し、「根管治療 再発」などで検索をすると、家の近くでもいろいろ出てくる。

どうやら、歯の根っこの治療は自由診療で治療を行うクリニックがわりとあるようだ。

根管治療の専門医がいるという、浦和の歯医者さんが予約が数日後に取れたので、行ってみた。

その浦和の歯医者さんは、新しくてとても綺麗な建物で、設備も最新ぽくて、歯科医師も10人以上はいそうな立派な歯科医院だった。待合室には歯科医師の写真がずらっと並んでいた。

ここではレントゲンの他にCTも撮影してもらった。

日大と同じようなことを言われるのかなとなんとなく思っていて心の準備もなかったところに担当医師から聞いたことは、ショックな内容だった。

奥から2番目の歯も悪いけれど、おそらく一番奥の歯も神経が死んでいる。両方とも治療が必要。奥から2番目の歯はすでに神経の治療がされていて、また同じ治療をすると歯に負担をかけることになるので、治療しても良くならないで抜歯になる可能性が高い。

抜歯。

ここで、初めて歯を抜く可能性を告げられた。そしてそれだけで話は終わらなかった。

歯科医師は、さらに抜歯した後はインプラント埋設を提示した。ただ、抜歯する可能性のある奥歯の生えている顎の骨は厚みが薄く、鼻の穴に届いてしまうとかで、抜歯後すぐにまず人工骨を増設することを提示された。つまり歯を抜くときはインプラント埋設前提で治療が進むことになる。

抜歯。人工骨増設。インプラント埋設。聞いているだけで痛そうな治療だが、ショックだったのはその治療費である。

内訳は忘れたが、全部の治療で120万円にはなるだろうとその医師は言った。

歯を抜いて辛い思いして、お金が120万円もかかる?意味が分からない。

こちらの聞きたいことはきちんと全部答えてはくれるが、淡々とした態度で特に安心感を与えるような雰囲気でもないその医師からは、抜歯でインプラント以外に選択肢はないように私に思わせた。(実際には無理に患者の嫌がる治療はすることはない。その医師もあくまでそういう可能性があると説明しただけだったのだが、とにかく私はショックだったのだ)

とりあえず行ってみた歯医者で、予想外に焦ってしまった私は、翌日も別の歯医者に行ってみた。不安でしかたがなかったのだ。今度は、職場の人が数人通っている上尾の歯医者さん。

こちらも医師が何人もいて、わりと評判がいい。

すでに色々な医師から色々な情報を得ていた私は、これまでに検査の経緯をワードで箇条書きして、医師に見せながら自分の状況を説明した。同じ説明を何度もして短い時間で話せるようになってきた。

その医師の判断では、前日のインプラントを勧めた医師と同じような意見で、一番奥の歯もその手前の歯も神経から悪くなっているのでどちらも根の治療が必要になるし、抜歯の可能性もあるけれど、顎の人工骨増設は必要ないし、インプラントにするかどうかは抜歯後にゆっくり考えればよいと言ってくれた。

抜歯の可能性は同じように言われたけれど、まるでインプラントしかないような圧をかけてくる雰囲気は全くなかった先生に少し安心した私は、まだ「可能性」ではあったけれど、もはや抜歯の覚悟を決めようとしていた。

抜歯か。歯が1本でもなくなると噛む時とかすごく不便になりそう。今だって奥歯が普通にかめなくて反対の歯に負担をかけて反対の歯までなっているのに。

しかし、悲しんでばかりもいられない。次やるべきことを考えるんだ。次やるべきこと。

そうだ。インプラントは嫌なんだから、良い入れ歯を探そう。

そして、すっかり歯を抜く気になってネットで入れ歯のことを調べ始めた。それが、3軒目の歯医者さんに行くことにつながることになったのだ。

入れ歯開発者に「自分の歯に勝るものはない」と諭される

歯が抜けると、その対処法として3つ考えられる。インプラント、ブリッジ、入れ歯。「何もせずそのまま」という方法もあるから、正確には4つなのかもだが。

色々検索しているうちに、インプラントはやらないと結構強く思った。価格が高いのもあるけれど、高齢になったときにもきちんと自分で管理できるか全然確信持てないし、浦和の歯医者さんがインプラント一択くらいのノリで勧めてきたのも不信感に繋がった。インプラントは歯医者さんが儲かる説を感じざるを得なかった。

ブリッジは、何も問題ない隣の歯を思いっきり削るのに抵抗がある。

だからといって入れ歯も、抜いた歯の隣の歯に金属で引っ掛けて支えとするので隣の歯にすごく負担をかけるらしい。

隣の歯に負担をかけない入れ歯はないものだろうか。

で、いろいろ検索しているうちに「ミラクルデンチャー」という入れ歯のホームページに行き当たった。

歯を守る入れ歯だって。なんか良さそう。

抜歯されたらそのままにしておくと歯並びが変わってきてしまうらしいし(とそのときは焦っていた。初めて抜歯と言われてから3日目のことだった、今にして思うとそこまで焦って自分の中で話を進めなくてもよかったんだけど。)、ミラクルデンチャーで入れ歯を作ってくれるクリニックを手配しておかないと。

そんな気持ちで、とりあえずこのミラクルデンチャーのホームページの問い合わせ欄から「ミラクルデンチャーは普通の入れ歯とどう違うのか。通っているクリニックがミラクルデンチャーを取り扱っていない場合どうしたらよいか」という内容を送信した。

木曜日の午後のことだった。

返信は、来るにしても数日後にメールで来るものだろうと思って、問い合わせしたことをすっかり忘れて夕飯の支度をしていた同じ日の午後6時過ぎだったと思う。携帯に見知らぬ番号で電話がかかってきた。

出ると、埼玉ではあまり耳にすることはない思いっきり関西弁の、聞いた感じ比較的年齢が高そうな男性の声だった。

「〇〇という者だけど」

聞いた瞬間、ミラクルデンチャーの開発者としてHPに記載されていた歯科医師の方の苗字だということを思い出し、まさか本人から電話が来るとは思っていなかった(しかも業務時間外的な時間帯に)私はけっこう焦った。

男性先生は構わず続けた。

「あんた、歯があるやないか」(問い合わせの際に全部の歯をチェックボックスで表示して欠損している歯をチェックする欄があって、まだ歯を抜いていない私は何もチェックを入れずに送信していた)

私はこれまでの経緯を手短に話し、これから抜歯の可能性があることを説明した。(焦りながら)

すると、先生は言った。

「あんたな、自分の歯に勝るものはない」

おたくの入れ歯ほしいんですという問い合わせの回答として、そう来ると思っていなかった私は、は、はあ、くらいしか返事ができなかったが、先生はさらに続けた。

「今から言うところに電話しなさい。六本木の、東京国際歯科。そこに70代くらいの院長がいる。その人に診てもらいなさい。必ず院長だよ。その代わり、高いよ。必ず電話するんだよ。」

ミラクルデンチャー開発者と思われるその先生は、自分の言いたいと思われることだけ私に告げて、電話はさっさと切られてしまった。

日常ではあまり聞くことのないネイティブ関西弁と、歯に対する強い信念のようなものを短時間の電話からも感じ取れた声。

なんだったんだ。あの電話なんだったんだ。

とりあえず東京国際歯科をネットで検索した。院長先生。この人ね。70代かなあ。もう少し若そうだけど。

場所は、麻布十番かあ。高級住宅街じゃん。敷居高そう。行きにくいなあ。そして、確かに高い。自由診療の根管治療のクリニックの料金を色々見てきたけど、それらも安いと思えるくらい、ここ高い。

確かに腕は良さそうな感じだけど、何しろ高い。インプラント一択の強い圧をかけてくる浦和の歯科のせいですっかり歯科の闇にへこたれていた私は、あの電話口で聞いた声に、自分の歯を守れと言う歯科医師の信念を感じながらも、「なんで自分が儲からない話なのにネットで問い合わせただけの私にそんなこと言ってくるんだろう、なんか裏があるのだろうか」と疑いの気持ちも捨てきれないでいた。

まあ診てもらうだけならそこまで高くないだろうから、すでにこの日までに2軒行ってるけど、勢いでもう1軒行っちゃうか、とりあえず診てもらおうと思って、すでにもう夜だったけど電話した。

当たり前だけど受付は終了していて、でも留守電は残すことができたので、簡単に事情と院長先生に診てもらいたいことを話して電話を切った。

留守電に残した私の声は、歯のことを考えすぎて疲れていて、抜歯を覚悟した絶望も混じり、かつ焦った声だったのだと思う。考えてみると恥ずかしい。

翌日の朝すぐに、親切そうな受付の女性が電話を折り返してくれて、早速午後に院長先生に診てもらうことになった。

火、水、金曜日。週に3日も別々の歯医者さんで診てもらうのは初めてである。保険診療的にたぶんすごく良くないと思う。すいません。でも止むに止まれずだったのです。

で、東京国際歯科の院長先生。そこで私は、名医というものを初めて見たのです。

長くなりすぎたので、やっと始まる治療については後編で。

(ミラクルデンチャー、東京国際歯科については、リンクを貼るのが恐れ多いのであえて貼りませんが、検索すればすぐに出てきます)

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