とても読むのが遅いのだけど、たまに本を読む。
この本は上の子がお腹にいたときに読んだから、もう16年前か〜。
新聞の広告に大きく出ていたのだけど、でもなんか怪しいよな〜とか思って、まずは本屋さんで立ち読みしてみたら、当時の私にとっては衝撃的に面白くて、何度も立ち読みして全部読んだあと結局買った。
小説以外の本を面白いと思った初めての本でとても心に残っている。
消費社会が教育の世界にまで浸透し、消費主体であることを幼い頃から確立した子どもたちが、教師から教育サービスを受けるときに貨幣として差し出すものは、不快という対価である。
といった内容だった(今ちょっと読んだらそんな感じでした)
子どもを生む前だから29歳くらい、それまで漠然と無意識に受け入れていたような善悪の概念、目上の人には従わなければならないとか、若いときには苦労するものだとか、社会で成功しなければならないとか、そういうものをガラガラと崩していく最初の本だったと思う。
内田先生は、社会のいろいろな事象を大きな歴史の流れの中で語ってくれるので、時事問題なんかもものすごくすっとはいってくるのが新鮮だった。新聞の記事は、無味乾燥のつまらない文章で今でも好きじゃないけど、なるほど新聞は内田先生みたいな語り口で語ってくれないからつまらないのは仕方ないんだな〜と割り切ることができるようになった。