竹細工合宿集中講座in館山、第3回に参加してきました。
第1、2回の記事はこちら。
雨の会場、元小学校
4月から始まった講座もついに最終回。
6月の第3回は梅雨らしい今にも降りそうなどんより空。今まではウッドデッキで太陽の下竹ひご作りに励んでいたが、今回は主催者の方が、お隣の公民館を借りてくださった。
公民館と言っても、30年ほど前に使われなくなった小学校。作りは小学校そのものなんだけど、教室も階段の数も何もかも少ない小さな小さな元小学校、そして今公民館。めっちゃかわいい。
かご学概論・長ひご作り
そして偶然にも第3回目は、教室で学ぶにふさわしく座学から始まった。
先生がいろいろな竹細工を見せてくれた。美しい、スタイリッシュ。こんなんを日常使いできたら超オシャレな人ではないか。なのに私はひとり「これは難しそうだから、こっちならできるかな。とりあえずこれをできるくらいまでにはなれればいっかな」と、心の中で勝手に妥協。
いや、できもしないうちから妥協してる人は何もできませんよ、と一人妥協からの一人ツッコミ。素敵な竹細工が作れるまでの道のりはまだまだまだまだ遠そうだ。
そして座学のあとは、長い竹を切らずに長いままひごを取る練習をした。
合宿2日目の講座も残すところあと1時間で、前回と同じ編み方を今回作ったひごで編んだ。…1ヶ月前の前回の合宿のときよりも、明らかにひごが薄く作れていて、編みやすい!
レベルなんて論じることもできない初歩の初歩レベルだし、まだまだ先は長いんだけど、それでも前回よりも明らかに上達してる…。…先生の教え方すごいよ…。気がつくと進歩してるのよ。
そして終了時刻を少し過ぎたところで、上の写真の底を編んだ物から私の初めてのかごができた。…すごい。売り物みたいだわ。私よ、私が作ったのよ。すごくない?
自分の欠落した能力について
でもね、告白しますと、底の編むところは自分でやりましたが、側面の部分はほぼ先生がやってくれました。
側面ができるといきなり立体になるわけだけど、最初先生は、ここのひごをこうやって持ってね、こっちの六角形の上の三角に入れてね…とやってみせてくれて、はい続きやってみ、と私に返してくれた。…私、全くできない。
なんというか、私ね、立体の感覚が全くつかめない。方向音痴もこれが原因ではないかと。常々思うんだけど、右脳の一部が欠損してるんじゃないかなっていう、人が普通に理解できるある一部のことが全く理解することができない感じ?それくらい、時々ある一部分のことが本気で皆目理解できない場面がある。
先生、私が全く理解できてないことを瞬時に気づく。
「視覚の記憶を再現できないのね」正確な表現は忘れたけど、先生はそんなようなことを言った。
あ、そうだ。そういうことだ。映像で覚えていられないから、道にも迷うのか。
先生「でも、それで今まで生きてこれたんだからよかったじゃん」
…うん、そうね。確かに立体感覚がなくて不便なことは多々あったが、生きていられないかっていったら、その点については全く問題がなかった。先生!なんかその一言、すごい示唆に富んでて、めちゃ興奮してきたよ。
立体感覚がなくても生きてこれたってことは、その能力がなくても生きてこれる環境だったってこと。例えば知らない道は夫と一緒に歩いていれば全部夫が連れて行ってくれた。そういう守られた環境だったのかもしれない。
自分は人一倍コンプレックスが強い方という自覚があり、あれもできない、これもできないと他人と比べて勝手に一人で落ち込みがちだけれど、劣ってると思い込んでいるその能力(のようなもの)は本当に自分にとって必要だったのだろうか。
私「いろいろ能力なくても生きていられるってことは、幸いなことでしょうか」なんとなく口をついて出た。
先生「でもそれじゃあつまんないよ」「できないことじゃなくて、できることにフォーカスしないと。」
そうか。できなくて劣等感を抱いたって、所詮命は取られない。そうでなくて、本当に生きるためには、自分の本当の能力を使わないと生きられないし、生きるために必要だと真に思うなら、できないこともできるようになるかもしれない。とにかくそこに劣等感の入る余地はない。
いったい先生が言ったことと私が一人で納得したことが、合っていたのかも分からないが、自分が守られた環境にいるというありがたみと、やっぱり劣等感というのは人生に不必要なんだということについて、またまた合点がいったのでした。
最後に会えたヒト
合宿で毎回泊めていただいたこちら。
今回もガーデンは美しく、夜の虫の声はきれいで、烏骨鶏たちはおだやかだった。真っ暗な庭を一人で歩いた。気持ちよかった。
そして!最終回でとうとうこの方にお会いできました!!
この方は、このガーデンを毎日パトロールしておられる猫様です。誰にでも気安く触らせてくれる雰囲気ではなかったけれど、私が声をかけるとなんと立ち止まってゴロリンとしてくれて、頭をなでさせてくれた。感激。
猫ちゃんにも受け入れてもらえたし、本当に良い締めくくりになりました。
教えてくれた先生、泊めてくださった主催者様、ともに学んだ受講生の皆様、本当にありがとうございました!
まだまだ竹細工への道は続きます!