先日、有名なパン屋さん、タルマーリーの渡邉格さんのオンライン講演を聞きました。タルマーリーのパンはお取り寄せで何度か食べたことはあったのですが、お話を聞いたのは初めてです。その感想を書きたいと思います。
パンの発酵の仕組みとタルマーリーのすごさ
パンに限らず、発酵という言葉及び発酵食品にはずっと興味があるのですが、なんとなく本を読んだりネットで調べたり、ということはせずに、なんだか美味しそうだな〜くらいにしか思ってませんでした。
そんな感じであまり深入りしない理由は自分でも分かっていて、「発酵」ということの意味がいまいち分からないから。
最大限大雑把に言うと、要するに化学変化を起こしているということなのだろうけど、パン、味噌、醤油、納豆、漬物…それぞれ発酵の仕組みや働く菌が違うっぽくて(多分)、発酵ってなんだかつかみどころがないなあと思っていたのです。
しかし講演の中で、渡邉さんがとてもわかり易くパンの発酵の仕組みを説明されていて、パンの発酵について初めてよく分かりました。
パンが膨らむのは発酵によるものなのだけど、それは菌の働きによる。菌は物質を分解するのだが、発酵の場合は多くが糖を分解する。糖を分解する際に二酸化炭素が出てパン生地が膨らむ。そして最大限膨らんだ状態で焼き固めたものが、パン。同じ仕組みで糖を分解してアルコールと二酸化炭素ができて、それを樽に閉じ込めたのがビール。
なるほど〜!!そういうことだったのか〜!だからタルマーリーってパンとビールを売ってたのか〜!!
そして、タルマーリーがすごいのは、パン発酵のための菌を、購入した菌ではなく(いわゆるイーストとか天然酵母のたぐいではないかと、多分)、空気中から菌を採取して培養し、パンやビールの製造に使っているとのこと。「野生菌」と呼んでいました。
そんなことできるんだ〜。というか、昔はみんなそうしていたんだって。
なぜ、今そうしているのか。オリジナリティを求めて、とのこと。
求めている一番のものが美味しさじゃない、ってところが面白すぎる。あ、でも何度もタルマーリーのパンお取り寄せしましたが、美味しいです!ビールも美味しさを求めなくてもいいんじゃないか、とまで渡邉さんはおっしゃっていた。面白すぎる。そこまでお酒好きではなかったので、ビールはお取り寄せしたことがなかったのだけど、そういうこと聞くと、俄然タルマーリーのビールが飲みたくなりました。
タルマーリーオーナーの魅力
講演の内容自体が知らないことばかりでとてもためになったのだけど、何より話されている渡邉格さんの話しだしたら止まらない感じがすごく楽しかったです。
自分の興味のあることはとことん突き進んでしまう感じがありありとして、もう話しだすと止まらない。そういう特徴をご自分で自覚されているようで、終わりの時間が決まっている講演を、なんとか話を脱線させないように一生懸命必要以上にしゃべらないように頑張っている?のがすごく分かり、こういう情熱にあふれた人だからこんな面白いパン屋さんを作れるのかな〜すごいな〜と思いました。
やっぱり、著作も読まないとな〜