1ヶ月以上経ってしまったのですが、映画「杜人」を観てきたことを書きます。
大倉山ドキュメンタリー映画祭にて
観てきたのはこちら、横浜市の大倉山で開催された、大倉山ドキュメンタリー映画祭の中の2日目。
映画「杜人」。環境再生医である矢野智徳さんを数年に渡り追いかけ記録したドキュメンタリー。
2年くらい前から色々な場所で自主上映などをされていることは知っていたけれど、なかなか観に行く機会がなく、上映される機会も減っていった。もう観られないだろうなと諦めていたところ、国分寺のカフェスローさんがメールで映画祭の存在を知らせてくれたので、埼玉から横浜の大倉山はけっこう遠いのだけれど行ってきました。
なぜカフェスローさんが知らせてくれたかと言うと、1月から隔月で、「まちではじめる大地の再生」という講座がカフェスローさんで開かれていて、そこに私が通っているから。
この講座は、矢野さんのお弟子さんのような方が講師として話されていて、私は1月からその方のお話を聞いているのだが、水脈がどうとか、五感測定とか、相を読むとか、座学だけだとなんだかよく分からなくて、矢野さんの思想を前提にしている感じで、映画「杜人」を観れば、カフェスローでの残りの講座がより理解できるのでは、ということで、お知らせが来たようだ。
映画「杜人」を観て
で、実際に観た感想…は1ヶ月以上経ってしまったのでちょっと記憶が薄れてしまいました汗。
山のふもとの家の周りやまちをコンクリートで固めてしまえば、水は行き場を失い、やがてあふれて、土砂崩れとなって、コンクリートで固めていない部分を大きく削ってしまう。
行き場を失った水の通り道を作るために、矢野さんはじっくりとその場を観察して、重機でコンクリートの側溝の底に穴を開けたり、風が通れるようにと、風の草刈りをしたり…と、通常の土木工事では理解できないことを次々と行う…。
とかそんな内容だったような…。
映画を観ながらも、相変わらず、「うーん、わかったようなわからないような…」という気持ちはあったのですが、山のふもとをコンクリートで固めると、そのすぐ上の土地は大雨が降ると、土砂崩れの危険が大きくなってしまう、という原理は分かったような気がしました。
この世界観で、カフェスローの講座に臨めばよいのかな…と、少しだけ納得できたかも。
で、映画の終了後は、監督の前田せつ子さんが少し制作秘話などのお話をしてくれました。
前田監督のお話で私は初めて知ったのですが、前田監督は映画を作るプロではなくて、矢野さんと出会ってとても強い興味を持ったから、矢野さんを撮影したくて、そのために映画の撮影技術を学んで、それでこの映画が作られたのだそう。
それを聞いて、なるほどなーと思いました。
映像が映画っぽくない気がしたんですよね。ナレーションがあったり字幕があったり。
機材とかは映画用なのでしょう、だから見た目は映画なんだけど、なんとなくテレビ番組っぽい雰囲気があったんですよね。そういう意味ではプロ感が若干少ないような…。
でも、ドキュメンタリーなのではっきりとしたストーリーがあるわけではないのですが、観ていてなんだか面白かったんです。お話じゃないんだけど、お話を観るような次どうなるのかなって、つい観続けてしまう、引き込まれてしまう何かがこの映画にはありました。
監督の矢野さんに対する強い興味が、この作品の面白さになっているのかな〜と思いました。
2年も各地で上映され続けていたのもうなずける。
開催地の大倉山記念館が素敵すぎた
ところで、映画開催場所の大倉山はめっちゃおしゃれな住宅街でした。
駅を出るといきなり坂道なのです。だだっ広く平らなところばかりをぼーっと歩いている埼玉県民から見ると、坂の周りに家があるってだけで興奮します。
そして、これが映画祭の会場となった大倉山記念館。
最初、本当にここで人がたくさん集まるような映画祭をやっているのか信じられませんでした。
だって、もうすぐ始まるという時間に着いたというのに、外には人っ子一人いなかったんだもの。
恐る恐る写真真ん中の重い扉を開けると、中には人が賑わっていました。
中もこんな感じで重厚。明治の洋館かと思ってたら、創建されたのは昭和初期のようです。いずれにしても、一見して分かる歴史的な建築物。
樹齢が高そうな大木もたくさんありました。ヒマラヤスギ。
カヤ。
ツガ。
映画祭を運営されていたのは、年齢層高めの女性たち。ボランティアが大半な感じでした。
うーむ、こんな歴史あるすてきな洋館で、超センスのある映画祭をプロじゃない(プロもいたのかもしれないけど)人たちが開催しちゃうなんて、横浜の文化レベルの高さに感心しきりだったのでした。
いやほんとに、鎌倉に行ったときも思いましたが、埼玉から神奈川に行くと、歴史が積み上げてきた文化の高さを感じるんですよね〜