冒頭からショッキングである。
「まず最初に確認しておきましょう。人は必ず死に、この宇宙の中には、善悪も、意味も、目的も、ありません。」
この本は、数ページ程度の項目ごとに作者が語っているのをまとめたような内容で、割と簡単に読める。とはいえイスラム教徒でイスラム法学者の作者が、イスラム教や神について語ったりしているところはちょっと難しくてあまり面白くない。
作者の語りに通底していることは、この世に意味はない。人間はみんなバカ。バカだから何やったって無駄なんだから、世の中に流布している勝手な意見に惑わされず、自分の本当に好きなということ。
田舎でヤギでも飼って暮らしなさい、とも言っている。
そうそう、自給自足的な暮らしをしたいと考えるようになったのは、この本にも影響を受けていたのだなあ。
パーマカルチャー的な暮らし、もちろん憧れではあるし、自分の暮らしが生物多様性のためになるなんてすばらしいとは思うけど、そんな私もただ生きて死ぬだけの動物(サル)、そのサルが今までよりは多少いい感じで環境を変えようっていう行いにいいも悪いもない。
人間は物事をとかく善悪のものさしで決めがちだけど、そういう生きものなのだろう。
ちなみにこの本の後半は、「しょぼい企業で生きていく」という本の作者のえらいてんちょうこと矢内東紀さんとの対談です。