朝晩はだいぶ涼しくなってきた。久しぶりに中国茶を飲む。
2018年に5年暮らした中国は広州市から帰国したときに大量に買ってきたプーアル茶。
これ、お茶。圧縮して固めて、円盤みたいにする。保存・持ち運びしやすくなる。
餅(ビン)と呼びます。
この固まったお茶を。
これで突き刺して崩してかけらを使う。
年季の入った蓋碗(ガイワン)に入れる。
熱湯を注ぐ。1回目のお湯は捨てる。2回目からを飲む。
蓋碗から公道杯に注ぎ、おちょこのように小さい茶杯につぐ。茶杯で飲む。
この中国茶の茶器も20何年前に初めて見たときは、新鮮だった。
え。茶碗でお茶淹れるんだ。注ぐときは蓋をちょっとずらす。公道杯を経由して茶杯にまで注がれるうちにいい具合の飲み頃の温度になり、お茶の良い香りも発散しやすい形状。
中国茶は蓋碗で飲むのが一番おいしいと思う。
紫砂壺という、小さな急須で飲むという方法もあるけれど、蓋碗で飲む方が一般的だと思う。
中国人はみんな烏龍茶ばっかり飲んでいるかと言うと、そうでもない。
乾燥していたり気温が低かったりと気候条件の制限があって、中国ではだいたい山東省より北はお茶の生産ができない。なので、北京とか北方の都市では、烏龍茶とかあまり飲まなくて庶民はジャスミン茶ばっかり飲んでいるらしい。この場合のジャスミン茶は、単に喉の乾きをいやすという役割。他の種類のお茶を飲もうという習慣があまりないみたい。
対して私が以前に住んでいた広州市は中国南方の広東省で、烏龍茶の一大生産地だった。お茶や茶器ばかりを売っている大きなお茶の市場があったり、広東省産や福建省産のいろいろな種類の烏龍茶の茶葉が買えるお店があったりして、広州で生活しているころは大量に買ってきては日々飲んでいた。
烏龍茶も帰国するときに大量に買ってきたのだが、烏龍茶はプーアル茶ほど長く保存できないので数ヶ月で飲みきってしまった。
帰国したばかりの頃、こちらで中国茶を淹れて強く思ったのは、中国茶は中国で飲んでこそおいしいということ。日本と中国では水が違うのではないかと思っている。今まで飲んでいた烏龍茶を日本で飲むと、なんとも言えない軟弱な感じがするのだ。中国で飲む方がカフェインのガツンとした感じがグッと来る(体には良くない気がする)。
このことを以前に中国でお茶屋さんに聞いてみたところ、そんなはずない、日本で飲んだって味は同じ、と言われたのだけど、やっぱり違うような気がする。私の気のせいなのか、真偽は不明。
さて、冒頭のプーアル茶は保存期間がないと言ってよいほど長いので、中国から帰国して5年は経つけどまだ飲んでいる。
実は、プーアル茶も生プーアルと熟プーアルというのがあって、日本でプーアル茶といえば熟プーアル茶のこと。
生プーアル茶は日本でも手に入るのだろうか。淹れると烏龍茶のようにうすい色をしている。
私が大量に買ってきたのは熟プーアル茶。生プーアル茶ではない。
熟プーアル茶のように発酵度の高いお茶は暑い夏にはあまり飲む気にならなくて、冬に飲むのがふさわしいお茶。
中国で生活していたときはあんなにガブガブ飲んでいた中国茶も、日本に帰ってくると、プーアル茶しか持っていないから冬にしか飲まないし、水も違うような気がするし、他の飲み物も飲めるしで、あまり飲まなくなってしまい、今も棚には大量のプーアル茶の餅(円盤)が残っている。
今となっては、プーアル茶でも飲んだ感じの少し軽い生プーアル茶の餅を買ってくればよかったな。
中国でもいろんな人に出会い話をしました。学校に行って会社に勤めて街で暮らす。そういう暮らしもとてもありがたいことだと思うけれど、そうしないといけないわけでない。日本の都会のマンションで暮らす私の自給自足への探求の日々をつづる無料メルマガ執筆中です。