遅くなりましたが、4月12日(金)に開催しました、オンライン講座「身近な生き物との付き合いが地球温暖化を止める⁉〜湿地や海辺から〜」を無事終えることができたので報告したいと思います。
開催結果
19人もの方にお申込みいただきました。そのうちの半分以上の方にリアルタイムで参加いただきました。
前半1時間はスピーカー鈴木あきらさんからのお話、その後の30分は事前にいただいていた質問にあきらさんが答える時間になりました。
あきらさんは40枚以上の力作パワーポイント資料を使って、お話してくれました。
募集記事はこちら。
お話の内容
スピーカーの鈴木玲さんのお話は、世界の自然破壊の状況や、環境と私達とのつながり、湿地の現状などなど多岐に渡りました。
お話の中で私が印象に残ったこと。
世界人口推移の右肩上がり過ぎるグラフ
世界人口は産業革命以前は何万年も10億人にも達していなかったのに、この200年で一気に8倍、特に1950年の25億人から2022年の80億人と、グラフに表すと右肩上がり過ぎて、人口増加って地球規模で見ると爆発的なんだなあ、この人間がみんな豊かな生活をしようとしたら、地球は何個必要なのだろう…と暗澹たる気持ちになってしまいました。
湿地の減少のスピードの速さ
湿地が、この約50年で世界では15万ha、スピードにすると、1時間あたり札幌ドーム3個分減ったということ、日本ではこの100年に60%の湿地がなくなってしまったということを聞いて、あまりの破壊の規模の大きさにどうとらえたらよいのか分からず、これもまた軽く絶望的な気持ちになってしまいました。
雑草は踏まれても、頑張って立ち上がるほど暇ではない
雑草は踏まれても立ち上がる、お前もがんばれ!的な昭和のど根性論は植物の世界ではあてはまらない、というお話。
生き物たちの使命は、
①まず、今を生きる
②そして、子孫を残し、広げる。(byあきら)
よく観察してみれば、雑草は踏まれたら横に伸びていったり、踏んだ靴に種をくっつけて靴に自分の子どもである種を運ばせるようにしたり、生き延びるために、子孫を残すために、あれこれと対応している、のですって。
この話を聞いて私は、人間だってこれでいいんだよな、とすごく納得しました。
人も一緒。
人はなんのために生きるのか。今を生きる。そして、できることなら自分の子孫を残す。これだけ。
まあ人は、他の動物より脳みそが大きいから余計なことを考えがちなので、今を生きるだけだとちょっと不満足かもしれないので、もうちょっと付け足すと、「良く生きる」。
良く生きることができれば、満足する人生を送ることができるのではないだろうか。
あきらさんの話は、誰もが一度は考えたことがあるであろう「人はなんのために生きるのだろうか」という問いに、経験に基づいた自然科学の分野から答えを教えてくれたような気がしました。
身近な自然を守るためには、まずは自然をよく見ること
身近な自然を守るために、今からちょっとできることを教えてくれました。
それには、まずは、身近な自然をよく見てみること、なんだそうです。
虫がいっぱい飛んでいる、なんでなんだろう。などと考えて、想像することで、生き物や自然環境に対する愛情、自然とどう折り合いをつけて暮らしていったらよいか、など考えることができるようになるのだとお話されていました。
絶望と希望と
前半になにげなく紹介されていた人口増加や種の絶滅、湿地の減少などの自然破壊の現状などを改めて見て、「もはや何をやっても遅いのではないだろうか」とわりとよく思っているのですが、あきらさんの話を聞いても考えてしまいました。
でも、自然を守るために自分ができることってなんなのだろう、という常日頃思っている私の疑問に、あきらさんは「まずはよく観察することだ」と教えてくれました。
私は日々、動物や気になる植物を見ると、「あのカラスは風にあおられているけれど、ちゃんと巣にもどれるだろうか」とか「この草はなんでこんなところに生えているんだろう」とか、つい立ち止まってじっと見てしまうことも多くて、自分のそういう行動は、変な人ってわけではない、むしろ自然を守るためには良いことなんだ、と思わせてくれて、日頃の自分の行動に答え合わせができたような気持ちになってなんだか安心しました。
とはいえ、じっと見すぎてしまうと愛着が湧いてきて、畑の雑草や、花壇に生えてきた樹木の実生もなんだかかわいそうで抜けなくなってしまい、たけのこもかわいそうで抜けないくらいになってしまうので、見すぎもどうなんだろう、とあきらさんに質問したくなったりしましたが(イベントでは質問しませんでした)。
豊かになるために、と世界の人々が活動することによって、凄まじい自然破壊が行われている、その現状についてはきっと楽観視はできないのだろうけれども、今ある自然環境、自然の恵みが当たり前に得られるものではないことを改めて感じて、自分もなにかできることを探して、大切にしていこう、と決意を新たにしたのでした。
あきらさん、ありがとうございました。