今日は、園芸ボランティア研修で知り合った方に教えてもらって、「大宮公園の樹木を知ろう」というイベントに行ってきました。
大宮公園で探検
大宮公園は、武蔵一宮氷川神社という近隣市町村からも多くの人が初詣に来るような古くからある大きな神社に隣接するとても大きな公園。公園と言ってもスタジアムがあったり動物園があったり、とても広くて、昔からあるので巨木も多い。近所にあるのだけど、木をじっくり見ながら歩くというのは初めて。
案内してくださったのは、サイエンスコミュニケーターの高野丈さんという方。出版社で動植物の関係の本を編集されたり、写真家として活動されたり、井の頭公園をフィールドにして生物多様性保全の教育普及活動などをされている方。(お話された経歴がたくさんあったので、まとめるとこんな感じかと…。違ってたらすみません)
午前中は、高野さんと一緒にみんなで大宮公園を歩く。まずは入り口付近の木を見るところから。
私がもし自力で木の種類を特定しようとしたら、なんとなく木全体を見るといいのかなと思っていたけれど、高野さんはそうではなくて、ルーペを使って葉などをじっくり観察することを教えて下さった。
先端が尖っていて、ギザギザの互生の葉、赤い葉っぱは新芽。よく垣根に使われる木でレッドロビンという栽培品種。
くっきりした葉脈、ホップのような実、クマシデ。
小さく見える実はドングリ。このドングリの木はシラカシ。
一本一本じっくり見て説明を聞いていると、時間はいくらあっても足りない。入口付近の木をみんなでじっくり見ていて、なかなか公園の中に入れないのが、ちょっとおもしろい。
ようやく公園の中に入ると、巨木がたくさん。背が高いから葉っぱがよく見えないけど、これはたぶんイチョウだよね。
斜めに生えているおもしろい巨木。高野さんによると、まっすぐに大きくなることを邪魔するような木があってこの木は斜めに伸びるしかなかった。が、なんらかの原因で今はその木はなくなって、斜めのこの木だけが残っているのではないかと。そんなこの木はイイギリ。でも桐の仲間ではないのだそう。ぶどうみたいな実がなるけれど、あまりおいしくないらしい。葉っぱが大きくて葉柄が長い。
びわの葉。表面に毛があって、特に葉っぱの裏はすべすべして気持ちいい。
びわの葉と似ているけれど、こちらは表面がつるつるのタイサンボク。
小さな実がネズミのフンみたいだから、ネズミモチ。
…うーむ。ケヤキとクヌギとコナラとイヌシデとツバキくらいしか分からない私の中の樹木辞典に、またいくつか登録することができた!!うれしい。
近所の公園に樹齢の高そうな色々な種類の木がこんなにたくさんあるなんて、初めて知りました。
都市公園の樹木を守るために、みんなで楽しく観察しよう!
午後は高野さんのこれまでの活動をスライドを使って説明してくださった。
20年ほど前から井の頭公園の野鳥など動植物を日々仲間と観察して記録し、それらの記録を根拠として、井の頭公園の自然を壊すような行政の動きに意見したり、交渉したり、様々な市民運動を共通の気持ちを持つ仲間と協力して行ってきたこと。
数々の市民活動をどのようにして行ったのか、結果は、というお話を高野さんご本人の言葉で直接聞いて、だんだんとこのイベントの主旨が分かってきた。
高野さんたちのされてきた活動を学んで、この大宮公園の樹木を守る。
大宮公園の樹木も決してよい状況ではない。状態の悪い木は簡単に伐採するという行政の決定がいつあってもおかしくないし、実際に伐採されている木もあるみたい。
木を切ることは、その木だけの問題ではなくて、そこに住む生物のすみかや食べ物に関わることなので生物多様性に関わる。ある場所の状態を壊すことが、どのような影響があるのか、身近な場所ほど実は分かっていないことが多い。
知るためにはまず、観察すること。野鳥を植物を樹木を、できる人ができる時に観察し、記録する。それらは蓄積されて行政との交渉の根拠となり、大宮公園の樹木、ひいては生物多様性を守ろうとする人々の知識となる。活動をする人々は有機的につながり、共通の目的は持つけれどもゆるいつながりの中で、活動していくうちにまた別の新しい動きになっていく。
高野さんがご自分の経験を話されているのを聞きながら、大宮公園のそんな未来を想像した。
なるほど都会の緑を守るのは、戦いではないのだ。まずは楽しく一人ひとりができることをやっていくことから始まるというところに、すごく納得して希望を感じた。
そういう活動に関わる人の一人に私もなれるのはとてもうれしい。
すごく勉強になりました。どうもありがとうございました。
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