通りかかった街路樹の木、庭に生えてきた雑草、花壇のきれいな花…。
名前、知りたくないですか?でも、だいたい分からない!図鑑を見ても、分からない!
だいたい分からないままでいつまでも分かることのなかった名前、なんと解決法が見つかりそう。
それは、Xでたまたま見た募集投稿。東京都調布市にある植物多様性センターというところで、「植物図鑑を使いこなそう!」という無料講座があるというではないですか!
こ、これはぜひ知りたい!ということで、こんなオバハンが受講しちゃってすみませんと思いつつ、いち早く申込みして、行ってまいりましたー。
図鑑を使いこなすとは、地道な作業
この木なんだろう、と思って図鑑を開くとしますよね?…これだ!って見つけられたことありますか?
私は図鑑って、「きれいだな〜」なんて読み物として楽しむものなのかなとすら思っていました。
講師の方も説明されていました。
きれいな花があったとします。あとで調べようと思って写真に撮ったとします。でもその写真は1個体の1場面。その植物の抽象的な姿ではない。同じく図鑑での写真も1個体の1場面。
というわけで、単に絵合わせのように図鑑の写真と撮影した写真を合わせようとしてもうまくいかない。
ではどうしたら?講師の方の説明。それは
①まず全般的な用語を覚える
②そして、面倒だけれど、図鑑の説明の文章を読む
ということだそうです。
①は、植物図鑑の最初の方にあったりしますが、葉の形なら楕円形とか線形とか、葉のふちの形状の名前なら、鋸歯とか全縁とか、葉のつき方の名前なら、対生とか互生とか。そういう、植物の特徴を表現する言葉をだいたい覚えてから。
②知りたい植物の候補の説明文章で特定していくのだそうです。
たとえば、尾状花序は立つ。葉は互生。托葉あり。雄しべ6本。→マルバヤナギだ!
といった流れになるそうです。
そんなにうまくいくの?と思いますよね。そのことについてはまた後で書くとして、こういった検索の方法で調べるために、非常に使いやすい本が。
こちらの本。私この本知ってたんです。でも写真もなく文章多めで、つまんないななんて思っていましたが、一番検索しやすくわかりやすいらしいです。(ちなみにこのリンクではうまいこと新刊をご紹介することができず、購入するならご自分で探したほうがいいです(^_^;))
実際に知りたい草を採取して、調べてみました
部屋での説明のあとは、外に出ました。
こちらの芝生から、知りたいな〜と思った草をグループごとに2種類取って来ましょう、となりました。
私達のグループが取ってきたのは、まずこちら。
グループの人たちは、「アザミに似てるよね」「でもトゲがないね」と話していました。…う、アザミに似てるのか。全然わからん。
と私は心の中で思っていましたが、部屋に戻ってきて、先程の検索本で調べ始めます。
「アザミだとキク科だね」ということで(そうなんだ!!)、キク科のページを順番に見ていきます。
それで、説明文に「高さ60〜90センチ」「頭花は紅紫色で直径約2.5センチ、枝先に上向きにつく」などという情報から、
キツネアザミと判断しました!
同じように調べて、こちらはコメツブツメクサ、でした。(クローバーじゃなくて、黄色い小さい花がついてるほう)
やってみて、グループの人同士で話した感想。
これっぽいな、というのが分かればそこから科が分かるから、科が分かれば順番に探していける。
つまり、ある程度分かれば候補を見つけて、その説明文と実物がどう違うか比べながら調べられるけれど、何もとっかかりがないとやはり特定は厳しい。
といったことをみんなで話し合ったのでした。
正しい名前を当てることが重要なのではない
というわけで、2、3時間の講座ですっきり完璧に使いこなせるようになるんだったら、世の中の専門家さんはいらないわけで。そんなうまい話はなかったです。
しかし、図鑑は絵合わせをするためのものではない。説明の文章を読んで、文章と実物の特徴を一つ一つ照らし合わせて判断するもの。という非常に重要なことをおしえてもらいました。
そして、最後にとっても大切なことを教えてもらいました。
植物の正しい名前を特定することが大切なことではない。と。
もちろんそれもすごく大切だけれど、もっと大切なのは、自分で調べて知ろうとすることなのだそうです。その労力は必ず自分のものになるそうです。
この講座に参加して、植物の特定というのは、とても地道な作業なんだということが分かりました。
いつも居合わせた詳しい人に名前を聞くばかりでしたが、これからはやり方を教えてもらえたので、うまく調べられないことも多いとは思いますが、自分でもたくさん調べてみよう!!と思ったのでした。
自分である程度調べる力がついたら、食べられる野草とかも自分で探し出せるかな…夢はふくらみます。