今日は、花と緑の振興センターで園芸ボランティア研修でした。研修も今回を入れてあと3回です。
腐葉土と堆肥の違い
堆肥、腐葉土、肥料…。今までこれらの違いが、頭の中でごちゃっとしていてよく分かっていませんでした。
まず、腐葉土は堆肥のうちのひとつで、落ち葉だけを積んだ土のこと。
で、堆肥。堆肥とは、有機物を微生物によって発酵・分解させたもの。
肥料は、土にまいて補う栄養。
堆肥の中にも、肥料っけが多いものと、あまりないものがあるそうです。
代表的な堆肥として、
バーク堆肥・牛糞堆肥・豚糞堆肥・鶏糞堆肥 があります。
バーク堆肥は木の皮を発酵・分解させたもの。
肥料の要素が強いのは、鶏糞→豚糞→牛糞の順。
土をフカフカにする、土壌改良要素が高いのは、バーク堆肥→腐葉土→牛糞。
鶏糞に土壌改良要素はほとんどないそう。豚糞は牛糞との中間くらいの土壌改良要素。
腐葉土を作る際の3つのポイント
さて、腐葉土づくり。腐葉土は落ち葉を微生物が分解することによってできるのですが、微生物が働きやすい環境にするために、気をつけたいポイント。
集める落ち葉の種類
腐葉土が作りやすい落ち葉は、一番良いのはカシの仲間だそうです。その他、ケヤキ、クヌギ、コナラ。
針葉樹は油が多く水分も少ないのでなかなか分解しない。また、広葉樹でも桜とか柿とか笹とか、葉を使って巻く料理があるような木は、腐葉土には向かないそうです。桜餅とか柿の葉すしとか、昔の人はなぜ食べ物を巻いたのか。
葉に抗菌作用があるから。菌をつけて分解したいのに抗菌してたら分解もしにくい。だから、これらの葉は向かないのですって。
微生物のえさ
微生物が落ち葉を分解するためのは、水・空気・えさが必要。えさのうち、主食は炭素であり、それは落ち葉なのだけれど、おかずがあれば主食も進むというもの。で、微生物にとってのおかずとは、窒素。
主食(炭素)が多ければ、おかず(窒素)も追加してあげる。それが炭素率。
炭素率は30くらいが好ましいそうです。
微生物とph
落ち葉を分解してくれる土壌微生物には、糸状菌、放線菌、細菌がいますが、ph7くらいでそれらが最も増えるのだそうです。で、分解が進むとそれに伴い落ち葉は酸性に傾いていくのだそうです。
酸性に傾きすぎると、病気が発生しやすくなってしまうので、アルカリ資材を添加するとよいそうです。
実際に腐葉土をつくります
情報満載、頭フル回転の座学のあとは、実際に腐葉土を作ってみます。
園内の至る所にある落ち葉スポットで、落ち葉を集めます。しかし!どこで集めても良いわけではない。なぜなら針葉樹を混ぜてしまうと、あとで針葉樹の葉だけ除くのが大変だから、最初から針葉樹がないところから落ち葉を集めないといけないのです。
ここ!テストに出るから覚えて!腐葉土づくりのために落ち葉を集めるときは、集めた場所をきれいにしようと思っちゃダメ。最後まで集めようとすると、土とか小石が混ざってしまって、あとで取り除くの大変だから。
集めた落ち葉のうわっつらだけを取るのです。
それから、小枝は集める時点で取り除けるものは取り除いたほうがよいです。小枝は分解に時間がかかるから腐葉土には混ぜないのです。
集めたら堆肥小屋まで持っていって、ブルーシートにいったん出します。
みんなで落ち葉をゴショゴショとかき混ぜて、小枝やドングリを取り除きます。小枝は前述の通り分解に時間がかかるから。ドングリは発芽してしまうから。
取り除いた小枝とドングリ。
小枝などを取り除いて落ち葉だけにしたら、堆肥スペースに撒きます。ある程度撒いたら、みんなで踏みます。踏むことによって葉に傷がつくと、その傷から微生物が入りやすくなるからです。
踏み終わったら、手前から水が流れ出るくらい大量に水をまきます。
水の後は、微生物のえさとアルカリ資材を添加します。今回は、石灰窒素。
石灰窒素とは、そのままだと農薬だけれど、分解されるとアンモニア態窒素となって、肥料になるらしい。石灰分も多く含むために、酸性をなおす働きもあるそうです。
窒素とアルカリ資材を同時に補える物質があるんですね。最初は農薬でのち肥料、なんてものがあるのですね…。
ちなみに、なぜに今回石灰窒素を使っているかと言うと、落ち葉が発酵すると温度が上がってネズミが棲家にしちゃうんですって。ネズミ来ないでほしいから最初農薬の石灰窒素まく、というネズミ嫌いに端を発する選択なので、家庭で腐葉土を作る場合などは、油かすとかを使えばいいらしいです。
集めた落ち葉を全部堆肥小屋に移して水まきと石灰窒素を撒いたら、ブルーシートを被せて、水分の蒸発を防ぎます。半年から1年で出来上がるのだそうだけど、それまでに3回くらい切り返しを行うそうです。
写真は1年前に作って、完成した腐葉土。葉っぱだけだったのに、土みたいになっている。かさも10分の1くらいになってました。
一連の作業を経験して、自分でも腐葉土、つくれそうです!
そして、たくさんいじった落ち葉は、中国茶のような甘い香りがしました。
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