すっかり荒れてしまってあまり行きたくなくなっている市民農園。(飽きているとも言う)
すっかりカボチャに侵食されていた。
もう…どうしたらいいの。どうやったって隣の区画に伸びて行ってしまう…。
途方に暮れた。これがグルグル巻き付いて、枯れたトマトを撤収できない。そして。
畑の隅っこに植えていた里芋の葉を10センチはゆうにある名も知らぬイモムシがガツガツ食べていた。
本当に「ガツガツ」食べていた。
…どうしたらいいの。私はGから始まる家の中で見ると人を恐怖に陥れるアイツ以外の昆虫はやっつける気になれない。そんなに食べないでよ。葉っぱがなくなる勢いで食べられたら、光合成できなくなっちゃうって。
困った。オレ(里芋)が死ぬか、アイツが死ぬか。…というか、私、触れない。
しばらく困り果てて、鎌でぽいって払ったら、下に落ちて丸くなった。
ふと思いついて、結局、引っこ抜いたとうもろこしの幹で撲殺した。
…触れないけどよく見るとかわいい姿をしていなくもないイモムシ、ごめんよ。これは戦いなのだ。
枯れたミニトマトにはカメムシがいっぱいいるし。
なんなの。イモムシにカメムシに。ミツバチとか、トンボとかさ、かっこいいやつ来てよ。(身勝手な言い分)
さて、そんなしょうもないことをしていると斜向かいの区画の男性がやってきた。一度話したことのある顔見知りの人。挨拶を交わした後、その男性が自分の畑を眺めてため息をついた。
男性、「…カボチャどうしようかな〜。」
振り返ると、その人の区画も、カボチャが侵食していた。
「私も困ってるんです!!」と私が言って、二人で顔を見合わせて大笑い。
男性「カボチャの苗、おじさんにもらったんですよ」
私「私ももらったんです!」
男性「初めて植えて、こんなになるなんて思わなくて」
私「私もです!」
…二人で大笑い。
男性「とりあえず雑草ぬこ」
私「私もそうします!」
そして、笑いながら、それぞれの区画の雑草取りをした。
失敗ばかりの市民農園だけど、こんな楽しい交流もある。
さて、つい熱中してカボチャのつるをひっぱりまくって下の雑草を抜いてしまったので、気づくとカボチャはぐったりしていた。先述の男性は、植物は途中を切るとそこから増殖して返って元気になるみたいなことを言ってくれたが、果たしてこのあとカボチャ、どうなるか。
ま、畑を占拠して邪魔だから、どうなっても正直いいんだけど(ひどい)。