林将之さん大宮公園に来たる!さいたま杜守りの会

今日はさいたま杜守りの会が主催してくださっている大宮公園自然観察会でした。

今までも、サイエンスコミュニケーター高野丈さん、大宮公園の植栽計画をされている会社の会長さん、などなど知識豊富のすごい方が来られるとても内容の濃い観察会でしたが、今日は樹木図鑑作家で環境ジャーナリストの林将之さんが講師として来てくださいました。

すごく面白そうな本を何冊も書かれている有名人のようで、ファンと思われる方も今日の会に参加されていました。林将之さんのサイトはこちらです。クリックすると、著作の一覧が見られます。どれも初心者が樹木を観察するときに参考になりそうな本ばかりです。

さいたま杜守りのお話はこちら。

目次

第一部、大宮公園を林さんと歩きます

まずは第一部、大宮公園の様々な樹木を林さんが参加者のみなさんと一緒に歩いて説明してくださいました。

まずはアカマツ。

こっちはクロマツ。

アカマツはやせた土地やはげ山のようななんにもない土地にも生えてくるような強い木。山口県出身の林さん、西日本ではよく見るけれど、関東地方の、大宮公園のようなふかふかした土地にこんなにたくさんのアカマツがあるのは珍しいとおっしゃっていました。

昔、日本が薪や炭を燃料にしていた頃、山の木々も落ち葉もみんな燃料や堆肥として取ってしまって山にはなんにもなくなってしまう、そんな土地にも生えてきた、それがアカマツ。木を燃料にしなくなった現代、アカマツは衰退していくはずなのに、この公園にアカマツがたくさん生えているのはあえて残しているということなのでしょうね、とのことでした。

それもそのはず、大宮公園は桜(ソメイヨシノ)の名所ですが、桜は桜でも、背の高いアカマツが額縁のように桜を囲う、アカマツと桜のコントラストが美しいマツと桜の名所なので、アカマツも大事な公園の樹木の一員なのですねー。

アカマツとクロマツの違いも教えてもらいました。幹が赤いとアカマツだというのはまあそうだろうなとは思いますが、他にも違いが。

こうして手のひらで葉っぱをツンツンして、痛いのがクロマツ、痛くないのがアカマツ。

そして面白かったのは、幹が黒っぽいからクロマツなんだろうなと思ったクロマツっぽい木、葉っぱをツンツンしたら痛くなかった。

じゃあその木はなんなの?というと、アカマツとクロマツの交雑なんでしょうね、と。交雑種のうち、クロマツよりを合黒松、アカマツよりを合赤松って言うんだって。なるほど〜。

こちら、少し前に植林されたアカマツの赤ちゃん。

前述のように、アカマツはなんにもない痩せた土地に勝手に生えてくるような木、こんなふうに大切に植えられてるアカマツを見て林さんはとても不思議な気持ちになったそうです。

でも、アカマツは大宮公園にとっては名所の一部を構成する樹木で、そんなアカマツも高齢化して新しい木に更新していく方針の一環として植樹されたもの。その事情を聞いた林さん、

「公園ですからね、人間都合のそういう理由で植えられるっていうのもアリだと思います」とのことでした。

これは確かコナラだった気が…。里山といえばクヌギとコナラ、そして山奥にはないクヌギとコナラ。クヌギのほうが薪としては一級品だそうです。

その昔、燃料として盛んに使われ植えられていたブナ科の樹木。現代は使われなくなっていっせいに高齢化して、そしてカシノナガキクイムシによるナラ枯れという問題を日本中で引き起こしています。

樹木が高齢化して虫が大発生して枯れる、その後で新しい木に更新される、というのは自然の摂理なので、林さんはカシナガはそんなに気にしなくていいと言われていました。

でも枯れると倒木のおそれもあるから、人が通る可能性のあるような場所でのカシナガ被害だと伐採の必要が出てきます。伐採にはお金かかるので、私が通っている埼玉県伊奈町の里山の整備ボランティアでは、一生懸命コナラにカシナガ防除をしています。自然の遷移だけにはまかせられない事情もあり、難しいな〜と思いました。

こちら、トベラの実。こんな感じでペタペタしていて、鳥にくっついて岩場とかに落ちるとそのまま貼り付いてそこから発芽したりするらしい。臭いから厄除けとして使われていたのだそう。でも実際に葉っぱをちぎって臭いをかいてみたけれど、むしろわりとさわやかな香りで臭くはなかったです。

そしてこちらがトベラの根元。なんで横に這っているんだろう??こんな状態で元気に葉を茂らせているのだから、生命力強い…。それにしても面白い姿だなあ。

ケヤキ。すべすべして白い樹皮。とてもきれいな樹形になります。

こちらのケヤキも、よく見ると個性的。枝と枝の間に落ち葉がたまり腐葉土になり、そこにネズミモチの種子が落ちて発芽し、小さなネズミモチの実生が生えています。

ちょっとピンぼけてしまった。ケヤキの種子は小さな葉っぱの根元についています。こうして葉っぱとセットで落ちて風によって飛んで遠くに運ばれるのだそうです。

こちらはシラカシでございます。人間がもし森に手を入れないで自然の遷移のままにしておくと、最終的に関東地方はこういうカシとかシイとかの常緑樹の森になるそうです。こういうのを潜在自然植生というのだそう。

常緑樹の森は暗い森になる。落葉広葉樹の森は明るい森。人間が手を入れた森がいわゆる里山で落葉広葉樹の森。

私は、落葉広葉樹の森、つまり人間が手を入れている森の方が生物多様性が豊かになるから、こちらの森のほうが良いのかと思っていたのだけれど、林さんによるとそう単純な話でもないのだそうです。

人間が手入れをしていた里山で人間が作り出した生態系に依存する動植物は確かにいる。しかし神社や山奥は人の手の入らない森で、そこは常緑樹の森になる、そこにはまた里山とは違う生態系がある。かつては常緑樹、広葉樹どちらの森もあることによって生物多様性は保たれていた。なので、どちらの森だけでいいというわけではないのだそう。

確かに人間の活動によって作られた生態系に依存する動植物はいるけれど、人間がもしいなかったら例えば洪水や山崩れがもっと頻繁に起こって、湿地がたくさんできて、もっと生態系は豊かになるかもしれない。

だから、どんな自然がよいかというのは簡単には言えない、のだそう。

シラカシの前でそんな話を聞いて、とても納得した。身近な自然である森について、視野は広く、時間軸は長く考えないといけないんだなあと思いました。

ユズリハです。大きな葉、葉のついている柄が赤い。

板根(ばんこん)といえば、ムクノキ。根元がこんなふうに板みたいになるのはなんのためか、教えてもらいました。

ムクノキは湿った河原に群落を作ったりするそうです。つまり湿った土地で倒れないようにこのような根の形になるのだそう。

そしてムクノキの葉っぱはザラザラしていて200〜300番くらいの細かい目のヤスリのように使えるそうです。

こちら、プラタナスの巨木。樹皮が特徴的。このプラタナスも個性的なんです。

別の角度からのプラタナス。枝と枝の間から、ユズリハの実生とクスノキの実生が生えてきてしまっているのです。クスノキはけっこうな大きさになっています。

これらの樹木の他にも、たくさんの樹木を紹介してもらって実際に木や葉っぱを触ったりしながらの情報量満載の観察会でした。とても勉強になりました。

第二部、樹木伐採問題と生物多様性

観察会でこれだけの情報量だったのに、さらに部屋に戻ってきて講演会もあったのだからお得すぎる今日のイベント。

まずは、だいぶ前からニュースなどでも報道されて問題になっている神宮外苑の伐採問題について状況を教えてもらいました。

神宮外苑で伐採される予定の樹木は、ヒマラヤスギ、スダジイ、ケヤキ、マテバシイ、シラカシなど。樹種自体はそんなに珍しいものでもないので、伐採してもいいんじゃないの?と思う人もいるかもしれない。

でも、世界主要都市の一人あたりの緑地面積を比較すると東京は世界最下位レベル、日本の都市は緑地がとても少ないのだそうです。

そういう状況の中、樹木や景観の重要性よりも経済活動を優先するという日本社会が問題なのだという林さんのお話を聞いて、暗い気持ちになりました。

そして、生物多様性の話。

現代の里山は、耕作放棄で農地はヤブ化、雑木林も放棄林となり、家畜もいない、集落には若者がいなくて、人手がないので除草剤や農薬に頼ることが増える。そういう荒廃した農村が日本中にどんどん増えているのだそうです。

日本は世界有数の森林大国。なのに世界有数の自給率の低い国。木材も食料もエネルギーも低いし、化学肥料にいたっては自給率ゼロ。放棄された里山では何も生産していない。

今、山はとても荒れているそうです。シカが日本中で大繁殖して日本の山の生態系を破壊しているのだそうです。

シカの大繁殖を抑えようと人間が大量にシカを捕殺して、その死体を山中に捨てるとクマがその死体を食べて、クマが肉食化したりするそうです。

この冬はクマの出没ニュースが多かったけれど、その原因がひとつではないでしょうが、日本人自身の手によって明治時代にニホンオオカミを絶滅させてしまい、食物連鎖の頂点にいる肉食動物がいなくなって、山や里山に手を入れる人間もいなくなり、生態系が大きく崩れてしまっていることは確かのようです。

以前に別の本でも、日本の森林はエネルギー革命以前の薪炭を使用していた時代よりもむしろ増えていて、問題はその質が悪化していることが問題なのだというのを読んだことがあったのですが、林さんのお話も、その本と同じようなことを話されていて、いったい自分にできることは何なのだろうと強く思いました。

林さんはいくつか解決法を提言されていたのですが、その中で私が超納得したのが

自給率100%を実現する。ということでした。

そうなんですよね、木も草も使えばいいし、シカもイノシシもいっぱいいるなら捕まえたら捨てないで食べたらいいんですよね。

私は山に暮らしているわけではないので、シカを食べる機会はないです。でも、放置竹林の竹を使って竹細工したり、生ゴミは堆肥にしたり、そのへんにある物でなんとかしたい、そう思って色々なところ行ってみたりやってみたり、こんなブログを書いていたりするわけですが、それって、合ってるじゃん、よかった。ととても納得したのでした。

参加者のみなさんと気持ちを共有する

最後に20人強いた参加者の一人ひとりが順番に感想を言いました。

「自分にできることはなんだろう」とか、「もっと学びたい」とかおっしゃっている方も多く、林さんのお話を聞いて一人ひとりが深く考えているんだな、同じ気持ちを共有している気がすごくしました。

普通の人が、身近な緑のために、日本の生態系のために、地球環境のために、考える、学ぶ、なにかする。

これって、もはや意識高いとか言ってられないことだと思います。それくらい地球環境は荒廃し後戻りできないところにきてしまっている。

今日のイベントで、同じさいたま市民という、比較的近くに住んでいる人たちと思いを共有できて、本当に得難い経験ができたなとしみじみうれしい気持ちになりました。

今日イベントでご一緒した参加者の方々は会ったことがある人もいれば、全く知らない人もいましたが、同じ思いを持っている人は自分の住んでいる街にも確実にいるということが分かりました。やっぱりいるんだな、しかもけっこうたくさん。

その事実にとても安心し、明日からも、楽しく自給自足スキルをみがいていこう、と思ったのでした。

杜守りの会のみなさま、ありがとうございました。

次回は3月9日とのこと。楽しみです。

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